遺留分減殺請求は急いだ方がいい話(その②)

 ※ この話は,少し専門的なので,結論的なことだけ知りたい方は,次のその③へ。

  さて,遺留分減殺請求を行うとどうなるのか,ということですが,これまでは,請求すると直ちに,請求者に遺留分に相当する遺産が移転するということになっていました(物権的効果)。
 不動産であれば,その何分の一かの持ち分が請求と同時に,遺留分権利者に帰属することになるのです。
 例えば,先の兄弟の例(その①参照)であれば,兄が遺留分減殺請求をすると,その不動産の持ち分の4分の1が直ちに兄に帰属することになるのです。
 ところが,今般の相続法改正において,この物権的効果が債権的効果,すなわち,金銭的請求しかできないというように変わることになったのです。  
 兄弟の例では,不動産の価格の4分の1に当たる金銭債権を得るということになります。
 そして,物権的効果があった際には問題にならなかったことですが,債権的効果に変わることによって大きく影響を受けるのが,消滅時効の問題です。

 これまでは,遺留分減殺請求さえしてしまえば,その時点で請求者に遺産の一部が帰属することになるため,事後処理は放っておいても請求者の財産がなくなるということはありませんでした。    しかし,今後は,単なる金銭債権を得るだけですので,遺留分減殺請求時から一定の期間が経つと時効消滅してしまうことになります。

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